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2011年4月13日 (水)

福島の土壌から放射性ストロンチウム初検出

4月12日、福島第1原子力発電所から30キロメートル以上離れた福島県浪江町と飯舘村の3か所で、3月16日、17日に採取した土壌などから微量の放射性ストロンチウムを検出したと文部科学省が発表しました。

今回の事故を受けた調査でストロンチウムが検出されたのは初めてです。

放射性ストロンチウム89の最高値は飯舘村の湿った土から検出された260ベクレル/kgでした。

また、放射性ストロンチウム90の最高値も飯舘村の32ベクレル/kgとのことです。

このほか、福島県が3月19日に福島第一原発から40キロから80キロほど離れた大玉村・本宮市・小野町・西郷村の合わせて4か所で採取した植物からも微量のストロンチウム90が検出されました。

放射性ストロンチウムは、大気中に放出されると、牧草や野菜に付着し、特に牧草を食べた牛の牛乳を通じて体内に入り込むおそれがあります。

カルシウムと性質が似ているため、骨に蓄積して長期間にわたって放射線を出し続け、がんを引き起こすおそれがあるとされています。

半減期はストロンチウム90が約29年、ストロンチウム89は約50日。

土壌中の濃度に関する国の基準値はありませんが、放射線量への換算は可能です。

32ベクレルのストロンチウム90が含まれる土を1キログラムを吸入したとすると、被曝線量は約0.005ミリシーベルト。

ストロンチウム89はさらに少ないため、文部科学省は今回検出された量は極めて微量で健康に影響はないとしています。

放射性ストロンチウムは1960年代には核実験の影響で世界中で大気中の濃度が上がりました。

また、1986年のチェルノブイリ原発事故の際にも周辺地域から検出されています。

大気中に放出された放射性ストロンチウムが健康にどのような影響を及ぼしたかについてははっきりと分かっていません。

日本分析センターの池内嘉宏理事は

「今回検出された放射性ストロンチウムは極めて微量なので、吸い込んで体の中に入ったとしても、受ける放射線の量は非常に小さく、健康への影響はないと考えてよい。放射性物質の対策としては、むしろ数万倍の量が検出されている放射性のセシウムやヨウ素によって健康に影響が出ないよう検討を進めるべきだ」

と話しています。

なお、放射性ストロンチウムは、ベータ線という放射線だけを出すことからほかの放射性物質と見分けがつきにくく、土壌に含まれているかどうか分析するには1か月程度かかることもあるということです。

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