交通機関の事故には、道路交通事故や鉄道事故、海難事故、航空事故などがあるが、今度は宇宙事故。
米国の衛星携帯電話システム「イリジウム」の衛星と、機能停止したロシアの通信衛星が衝突したとここと。
微小な宇宙ゴミ(デブリ)と衛星の衝突は過去に例があるそうだが、衛星同士の衝突は初めてとみられる。
宇宙での交通事故は、北シベリア上空約790キロで起きた。
両衛星とも破壊され、約600の宇宙ゴミ(デブリ)となって漂っているという。
いずれも重さ450キロ以上の大きな衛星で、衝突による「宇宙ごみ」が大量に出ている。
イリジウムは、高度780キロメートルに配備した66基の人工衛星を利用した米国に本拠をおくデジタル衛星携帯電話サービス。
北朝鮮とスリランカの一部を除いた全世界をカバーし、平地だけでなく、海上や山岳地帯でも利用できる。
一方、ロシアの衛星は93年に打ち上げられた「コスモス2251号」。10年ほど前から機能停止状態。
国際宇宙ステーション(ISS)の高度は約400キロと低いため、今回の衝突の直接の影響は考えにくいが、デブリの高度が下がってくると、影響を受ける可能性もある。
宇宙ゴミ(デブリ)といっても、地上にあるようなゴミとは訳が違う。
宇宙ゴミ(デブリ)は、地表から300km~450kmの低軌道では秒速で7~8km/s、36,000kmの静止軌道では秒速3km/sと非常に高速で移動。
さらに軌道傾斜角によっては相対的に秒速10km/s以上で衝突する場合・・・。
運動エネルギーは速度の2乗に比例するため、その破壊力はすさまじく、直径が10cmほどあれば宇宙船は完全に破壊されるという。
また、数cmでも致命的な損傷は免れず、さらに数mmのものであっても場合によっては宇宙船の任務遂行能力を奪う。
簡単にたとえると5~10mmのものと衝突するのは大砲で撃たれるに等しいというのだから相当な威力である。
破片によっては、地上へ落下するまでに数十年、軌道上を漂う可能性があり、他の衛星などとの再衝突が懸念される。
宇宙ゴミ(デブリ)問題は近年深刻化しており、一昨年、中国が衛星破壊実験をしたときは「デブリが多数発生する」と国際的に非難されたことも記憶に新しい。
このような衝突を防ぐことを目的として地球近傍のデブリ等を観測する活動(スペースガード)がある。
北アメリカ航空宇宙防衛司令部 (NORAD) の宇宙監視ネットワーク (Space Surveillance Network; SSN) 、ロシアの宇宙監視システム (SSS:Space Surveilance System)などでは約10cm以上の比較的大きなデブリをカタログに登録して常時監視が行われているという。日本でも美星スペースガードセンター(BSGC)、上斎原スペースガードセンター(KSGC)の2施設で監視が行われている。
カタログ登録されたデブリの数だけでも約9,000個に及び、1mm以下の微細デブリまでも含めると数百万とも数千万個とも言われる。
NASA作成の2000キロまでの範囲の軌道を周回する宇宙ごみの分布図をみたが、宇宙空間といえども既にゴミだらけの印象を受ける。
宇宙も交通渋滞しているようだが、その制御は困難なため地上の交通機関の事故のように制御できないのが悩ましい・・・。
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