動物病院の医療過誤に損害賠償命令
以前、「ペット診療の現状」というタイトルでペット医療の医療過誤を巡る問題に少し触れた。
人間の場合と同様、医療過誤訴訟が増加傾向にあり、「医療崩壊」の危機がささやかれるという内容。
今回は、その一例として、東京地裁での判決を紹介したい。
この訴訟は、5歳の雄猫。エメラルドグリーンの目が特徴のロシアンブルー種である。
病院長は、右目角膜の穴から組織が出ているのを見つけその処置をしたが、外傷性白内障などの後遺症が残ったため、飼い主はその病院を相手に約510万円(高額であり、びっくりではあるが)の損害賠償を求めた訴訟を起こした。
東京地裁は、その治療について「獣医学的な裏付けを欠き、極めて不適切。眼科専門の動物病院に転院させるべきで、治療方法を誤った過失がある」と述べ、約45万円の支払いを命じた。
獣医師側は長年の経験に基づく適切な判断だったと主張したが、「同様の治療方法は過去2例だけで、根拠とするには乏しい」と退けたという。
一方、獣医師たちは、ペット訴訟の判決が出るたびに、「この程度のミスで裁判に負けるのか」と愕然とするという。いつお客から訴えられるか、獣医師たちはまさに戦々恐々なのである。
そもそも、獣医師は、農林水産省が管轄する国家資格とはいえ、免許さえ取得していれば、昨日までサラリーマンをやっていたような人が、なんの臨床経験もなくすぐに開業できる。その後の医療スキルやモラルをチェックする体制もない。
実際、免許の取り消しも過去に一回もないというから驚きである。
そのような状況では、中には悪徳な獣医師がいてもおかしくないであろう。
我々消費者が見抜く力を持つのも必要かもしれないが、このような裁判が契機となり、同じような問題が繰り返されないよう、チェック機能ができることを望む。
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